つきの虫のシリーズについてご紹介します。

 

つきの虫の白と黒

つきの虫作品は大きく白もんと黒もんに分けられます。

白もん

白もんシリーズは主に以下に3種類、

 微細な貫入を持つ肌理の細かい白い陶土を使った上品な作品です。

  1. 染貫(somekan)
  2. 白紬もん
  3. 虹味(nijimi)

 

黒もん

黒もんシリーズは主に以下の5種類、

 白もん以外の陶土を用いた力強い作品です。

  1. 泥貫(dorokan)
  2. 黒紬もん
  3. satsuma noir
  4. metal black(銀黒)
  5. 金耀黒




白もん 3種

染貫(somekan)

「貫入を染める」

白薩摩の微細貫入は独特で不思議な世界です。作り手の土、釉薬、焼成の違いで貫入の入り方や太さ等が微妙に変化します。白薩摩の普段は上絵付の美しさに隠れ、その姿は控えめです。そんな貫入の世界を知っていただきたく、見えやすいように貫入に天然顔料を染めたシリーズです。白薩摩のもう一つの世界をお楽しみください。

このシリーズは、

2013かごしまの新特産品コンクールにて観光連盟会長賞を受賞し、鹿児島の特産品として評価をいただきました。

白紬もん

「白薩摩に大島紬文様をプリントデザイン」
薩摩焼に大島紬文様を焼き付けたうつわです。大島紬の職人が、薩摩焼の為に龍郷柄などの大島紬の基本柄をリデザインし、コンピューターで再構築、プリント用フィルムを起こし、切り絵のようにハンドカットしたフィルムを器に張り付けて、約800℃で焼き付けます。
大島紬職人とのコラボレーションだからできる大島紬文様のリアリティと鹿児島らしいデザインで今までに白い新しいタイプの薩摩焼を作りました。
紬文様のデザイン・制作を大島紬染色家 生多良(うむたら)氏が担い、二つの伝統工芸がつながり、多様化する新世代の薩摩焼を制作し続けています。 

虹味(nijimi)

「白もんに黒薩摩釉」

白薩摩の胎土に、黒薩摩の釉薬と白薩摩の釉薬を掛け分けた作品です。
2種類の釉薬が重なり合ったところが滲んで、虹のような多様な色の変化が、
虹の味わいを思わせる所から、虹味(Nijimi)と呼んでいます。
白虹味は器の中が白色(白薩摩)、黒虹味は器の中が黒色(黒薩摩)
になっています。民芸風な味わいがあります。

 



黒もん 5種

泥貫(dorokan)

slip crack(泥漿貫入・泥貫・dorokan)

乾燥した陶土のボディに薄い泥漿を掛け流し貫入(ひび)を発生させます。その貫入に黒薩摩釉薬を塗り込んで焼成します。

焼成回数が多くなり、乾燥具合や泥漿濃度、泥漿掛けや釉薬塗り込み、仕上げの研磨など多くの手間や難しさがあります。

そのテクスチャーは一つ一つ違ったものになり、個性あふれ、土の感触が十分に味わえる作品になります。

 

黒紬もん

「黒薩摩に大島紬文様をプリントデザイン」
薩摩焼に大島紬文様を焼き付けたうつわです。大島紬の職人が、薩摩焼の為に龍郷柄などの大島紬の基本柄をリデザインし、コンピューターで再構築、プリント用フィルムを起こし、切り絵のようにハンドカットしたフィルムを器に張り付けて、約800℃で焼き付けます。
大島紬職人とのコラボレーションだからできる大島紬文様のリアリティと鹿児島らしいデザインで今までに白い新しいタイプの薩摩焼を作りました。
紬文様のデザイン・制作を大島紬染色家 生多良(うむたら)氏が担い、二つの伝統工芸がつながり、多様化する新世代の薩摩焼を制作し続けています。

このシリーズは、

 2009年第106回九州山口陶磁展第2部門日本経済新聞社賞受賞。

2012かごしまの新特産品コンクールにて観光連盟会長賞受賞。

 

黒もん(satsuma noir)

「伝統の黒薩摩」

当窯の基礎となる黒薩摩の釉薬です。

鉄分を20%以上含むシンプルな釉薬です。
鹿児島の伝統的黒薩摩をイメージし、オリジナルの釉薬調合で制作しています。    

 


銀黒(metal black)

シンプルな黒もんの鉄系釉薬に、複雑にマンガン等を調合し、マットな銀色っぽい黒に仕上げたオリジナル調合の釉薬です。

金耀黒

黒を基調にしながら、金属光沢を放つオリジナル調合の釉薬です。



浸食痕(ErosionPotterm)

器の表面や口辺部の凸凹テクスチャーの事で、まるで長い時間をかけて浸食されたようなパターンなのでこのように呼んでいます。実際の制作は、ろくろを回し飛びカンナで深く彫り込んでいます。一個一個深かったり浅かったり広かったり狭かったり…パターンは変化します。その個性も是非お楽しみください。

 


 

つきの虫

 

 窯の火を止める時も、ろくろの手の加減も、

 

「虫の知らせ」を大切に感じながら制作を続ける。